軸受の材質と潤滑

軸受の性能と材質

転がりのリングや転動体はベアリング高い接触圧力と転がり接触が繰り返し加えられ、軸受保持器は引張力または圧縮力と滑り接触が加えられるため、軸受のさまざまな部品の材料特性には一定の要件があります。

軌道輪や転動体に求められる性能は、高い転がり疲労強度、高い硬度、良好な耐摩擦性です。軸受保持器の材質には、高い機械的強度と優れた安定性が必要です。さらに、軸受材料は良好な機械加工性を備えていなければなりません。特殊な環境や用途で使用される軸受には、耐高温性、耐衝撃性、耐食性などの性能も求められます。

高炭素クロム軸受鋼は、軌道輪や転動体の材料として通常使用されます。ほとんどベアリングJIS鋼にはSUJ2を使用し、大型ベアリングにはSUJ3を使用します。

上記鋼種の他に、耐熱性に優れたハイス鋼や耐食性の良いステンレス鋼も用途に応じて使用されます。

ベアリングプレスリテーナの材質には、低炭素鋼が一般的に使用されます。用途に応じて真鍮板やステンレス板も使用可能です。保持器の切削材質は高力黄銅、炭素鋼、合成樹脂です。

ベアリングの潤滑

軸受の潤滑方法はグリース潤滑とオイル潤滑に分けられます。軸受の機能を十分に発揮させるためには、使用条件や目的に応じた潤滑方法を選択する必要があります。潤滑性能の観点からは、グリースよりも潤滑油の方が有利です。グリスを使用することで周囲の構造を比較的簡素化できます。ベアリング。潤滑油またはグリースは状況に応じて選択してください。

(1) 摩擦や摩耗を軽減します。軸受を構成する輪、転動体、保持器などの接触部の金属接触を防止し、摩擦や摩耗を低減します。

(2) 疲労寿命を延長します。回転中に転がり接触面が十分に潤滑されていれば、軸受の転がり疲労寿命は延長されます。逆に油粘度が低く潤滑油膜厚さが良くない場合には短くなります。

(3) 摩擦熱を放出し冷却します。循環給油方式は、摩擦により発生する熱や外部から伝わる熱を油で放出し、冷却することができます。ベアリングの過熱を防ぎ、潤滑油の劣化を防ぎます。

(4) 軸受への異物の侵入や錆、腐食を防止してください。